ジェームズ ダイソン アワード2017
国内審査通過5作品の結果を発表!

SuKnee

一般財団法人 ジェームズダイソン財団201797日、財団が主催する国際エンジニアリングアワード、ジェームズ ダイソン アワード 2017 (以下、JDA) において、国内最優秀賞作品ならびに国内審査通過作品の計5作品の決定を発表しました。JDAは、次世代のデザインエンジニアの支援・育成を目的に毎年開催しているアワードで、テーマである「問題解決のアイデア」を募集し、12回目となる今年は世界23カ国にて開催、1,000を超える作品が集まりました。

今年の国内最優秀賞は、孫 小軍氏、菅井 文仁氏、佐藤 翔一氏3名による作品「SuKnee障害者のモビリティを高めるロボット義足」に決定しました。既存の義足は動力を持たないのが主流で、膝関節の自律的屈伸ができない為、階段の上り下りや椅子からの立ち上がりが困難であることに自らもユーザーである孫氏が不満を感じ、ロボット技術を活用し、独自で開発した筋肉を模倣するアクチュエータを搭載し、歩行に合わせる制御を行うことで独自動力を持たせました。受賞者の3名には、賞金2,000ポンド(約28.5万円[1])が贈られ、製品化を目指して開発をさらに進めます。

国内準優秀賞は、オーストラリア出身のプロダクトデザイナー ベン バーウィック氏による「Digital Garden」に決定しました。都心に多い集合住宅生活はソーラーパネルを使用する選択や動機がなく、なかなか普及しないという問題に対し、窓に取り付けが可能な折り紙工学ソーラーパネルをデザインしました。

国内第3位は、寺嶋 瑞仁氏、上脇 優人氏、冨田 青氏、パドロン ファン氏による「Cuboard~ クローラユニットシステムを用いた雪上にて走行可能な小型モビリティ」で、雪国で冬の時間に気軽に移動できる手段がないという不満を解決した作品に決定しました。

上記を含む国内審査通過5作品は、今後、参加23カ国で国内審査を通過した作品群とともに第2次審査に進み、さらに選考された作品が、ダイソン創業者ジェームズ ダイソンによる国際最終審査に進み1026日(木)に結果を配信する予定です。国際最優秀賞受賞者には、トロフィーと賞金30,000ポンド(約435万円[2])を、受賞者が在籍または卒業した教育機関に寄付金約5,000ポンド(約72.5万円2)が贈られます。国内受賞作品表彰式は11月頃に開催予定です。

作品は全てJDAホームページ上で公開されています。

[1]参考金額:1ポンド=142.5円 発表時97日(木)の為替相場に応じて換算

[2]参考金額:1ポンド=145円 受賞発表時の為替相場に応じて換算予定

 

ジェームズ ダイソン アワード 2017 国内審査通過作品

 

JDA2017 国内最優秀賞 SuKnee -障害者のモビリティを高めるロボット義足

【国内最優秀賞】SuKnee_embargo20170907以降

概要:既存の義足は動力を持たないのが主流で、膝関節の自律的屈伸ができない為、つまずいた場合、力を出して反発することができず転んでしまう。これに対し、生体メカニズムに基づき、ロボット技術と人間の筋肉を模倣する独自のアクチュエータを開発・融合することにより、軽量、コンパクトかつ電動アシスト機能を備えた義足をデザインした。膝の伸展・屈曲・振出、椅子からの起立、階段の昇降をアシストすることで、転倒の防止、疲れにくく、自然で安全な歩行が可能になる。

作品動画:https://youtu.be/9B1HP0fXyWk

製作者:孫 小軍氏 (東京大学大学院 情報理工学系研究科 知能機械情報学専攻)、
菅井 文仁氏 (東北大学大学院 工学研究科 修了、現 東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻 特任助教)、
佐藤 翔一氏 (慶應義塾大学 環境情報学部 卒業、現 東京大学 生産技術研究所 研究員)

 

JDA2017 国内準優秀賞 Digital Garden

【国内準優秀賞】Digital Garden_embargo20170907以降

概要:世界人口の半分以上が市街地に住み、その数は上昇傾向にある中で、集合住宅が増える一方、集合住宅生活はソーラーパネルを使用する選択や独自で再利用のできるエネルギー資源を蓄える動機がなく、なかなか普及していない。これに対し、簡単に窓に取り付けられて、室内環境を明るくする、折り紙工学によってデザインされたソーラーパネル。太陽光が跳ね返るごとに、エネルギー資源として発電ができる仕組みで、パネルの照り返しによって、部屋の内部まで照らす。

作品動画:https://vimeo.com/226305869

製作者:ベン バーウィック氏(東京大学大学院工学系研究科 建築学専攻 修了、現 オーストラリア在住)

 

JDA 2017国内第3位 ~Cuboard~クローラユニットシステムを用いた雪上にて走行可能な小型モビリティ

【国内第3位】Cuboard_embargo20170907以降

概要:雪国では自転車やバイクといった交通手段が積雪の影響で使えない。そのため雪国での生活は車での移動を必要とする。しかし雪国では冬場車での移動が集中し,車線の減少や低速走行などの影響で渋滞が発生し通常の約2倍~4倍移動に多くの時間を要することに対し、雪が積もった歩道での走行を可能にする、クローラ機構を備えた電動スケートボード”Cuboard”を開発。これにより雪国での車移動への依存度を減らし、快適な移動を実現する。

作品動画:https://youtu.be/9IXQKlOaMPU

製作者:寺嶋 瑞仁氏(長岡技術科学大学大学院 工学研究科 機械創造工学専攻 兼 ㈱CuboRex 代表取締役社長)、

上脇 優人氏(長岡技術科学大学 工学部 電気電子情報工学課程 兼 ㈱CuboRex 勤務)、
冨田 青氏(長岡技術科学大学 工学部 電気電子情報工学課程 兼 ㈱CuboRex 勤務)、
パドロン ファン氏(長岡技術科学大学大学院 工学研究科 電気電子情報工学専攻 兼 ㈱CuboRex 勤務)

 

JDA2017 国内第4 Telewheelchair

【国内第4位】Telewheelchair_embargo20170907以降

概要:高齢化社会にとって車椅子は重要なモビリティとなるが、車椅子は一世紀以上大きな変化がなく、自分自身で操作する、もしくは介護者が後ろに立って操作する形となっていた。これに対し、360度のカメラを搭載した電動車椅子に、遠隔操作機能とAI(人工知能)による障害物検知や環境認識などの運転補助機能を追加。これにより、車椅子視点の全天球映像をもとに遠隔操作ができ、人や障害物を検知した場合は、車椅子を停止することができ、安全な走行が可能となる。

作品動画:https://youtu.be/e9bcp0elNFs

製作者:橋爪 智氏(筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 図書館情報メディア専攻)、
鈴木 一平氏(筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類)、
髙澤 和希氏(筑波大学大学院 図書館情報メディア研究科 図書館情報メディア専攻)

 

JDA2017 国内第5位 ReverseCAVE: VRデバイドを解決するためのパースペクティブ共有技術

【国内第5位】ReverseCAVE_embargo20170907以降

概要: VR体験は頭部に装着するディスプレイ装置(HMD)を装着した人間のみ楽しむことができ、装着していない他者とはその体験が共有できない(perspective gap)。空間を覆う半透明スクリーンと多数のプロジェクター等で構築される “ReverseCAVE”システムを用いることにより解決。プレイヤーとVR空間の位置関係を保ったまま、リアルタイムにプレイヤーを覆うスクリーンへと投影されることにより、他者はHMDを装着せずVRプレイヤーとVRシーンを同時に見ることができる。

作品動画:https://www.youtube.com/watch?v=th6SENn1Ads

製作者:石井 晃氏(筑波大学大学院 システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻)、
鶴田 真也氏(筑波大学大学院 システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻)、
鈴木 一平氏(筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類)、
中前 秀太氏(筑波大学大学院 システム情報工学研究科 コンピュータサイエンス専攻)、
皆川 達也氏(筑波大学 情報学群 情報メディア創成学類)

 

JDA2017 国内審査員:

林 信行 氏/フリージャーナリスト・コンサルタント

日本デザイン振興会/デザイン・アンバサダー・オブ・ジャパン
学生時代からITの最先端をつくっていたアップル、マイクロソフト社らの動向の取材を始め歴代の重役陣を取材。通信会社やメーカーでのコンサルティングに加え、テクノロジー系ベンチャー企業数社の取締役やアドバイザーも兼務。

 

緒方 壽人氏/ デザインエンジニア

東京大学工学部を卒業後、情報科学芸術大学院大学(IAMAS)、リーディング・エッジ・デザインを経て、2012年よりTakramに参加。デザイン、エンジニアリング、アート、サイエンスなど領域横断的な活動を行う。2015年よりグッドデザイン賞審査員。