ジェームズ ダイソン アワード2016
国際最優秀賞受賞作品を発表

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EcoHelmetリサイクル可能な折りたたみ式ヘルメット

ジェームズ ダイソン アワード 2016 国際最優秀賞を受賞

世界22カ国から集まった963の問題解決アイデア作品より選出

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一般財団法人 ジェームズダイソン財団は、2016 11 17、同財団が主催する国際エンジニアリングアワード「ジェームズ ダイソン アワード2016」(James Dyson Award, 以下JDA)の国際最優秀賞者を発表しました。ダイソン創業者のジェームズ ダイソンは、リサイクル可能な折り畳み式ヘルメット、EcoHelmet (読み方:エコヘルメット)を今年の受賞作品に選びました。

 

近年、レンタル自転車は世界各地で普及してきており、その利用者は数百万人にのぼります。一方、ヘルメットを着用するレンタル自転車利用者はほとんどいない状況で、これは命に関わりかねない危険な行為です。レンタル自転車に限らないものの、昨年の日本全国における自転車乗用中の交通事故死者数は、警視庁交通総務課統計資料によると、572名で全国の交通事故死亡者数4,117名の13.9%を占めています*1

 

この問題に取り組んだのが、アイシス・シファー氏です。解決策として、レンタル自転車利用者向けの、リサイクル可能な折りたたみ式ヘルメット、EcoHelmetを開発しました。本作品は、シファー氏が世界3拠点をベースとするグローバルイノベーションデザインプログラムに参加し、2014年に慶應義塾大学大学院にて研究中に、「Kami」という作品名でEcoHelmetの初期コンセプトを見出しました。その後も研究開発を重ね、最終的には、プラット・インスティテュート(米国ニューヨーク市)デザイン学科にて作品の実現に至りました。

 

EcoHelmetは独自のハニカム構造を採用。頭部を衝撃から守り、使用しない時には平らにたたむことができます。また、生分解可能な耐水コーティングにより、最長3時間まで雨の中でも使用可能。軽量かつ耐久性に富んだデザインのEcoHelmetで、レンタル自転車利用者は、自信を持って安心して利用することができます。本作品のセル構造は、どんな衝撃も頭部全体に均等に分散し、従来のポリスチレンヘルメットと同様の効果を発揮します。また、セルが放射状に広がるので、あらゆる角度からの衝撃から着用者を守ります。EcoHelmetは構造がシンプルで材料も安価なことから、製造コストを低く抑えることができると見込まれます。シファー氏によると、レンタル自転車乗り場において1個あたり5ドル(約545*2)で販売する計画を立てているとのこと。

 

本作品をデザインしたシファー氏は言います。「ロイヤル・カレッジ・オブ・アートとインペリアル・カレッジ・ロンドンで1学期の間研究することができ、幸運でした。インペリアル・カレッジでは、欧州基準に準拠したヘルメットの衝突実験装置がある、衝突研究所の使用許可を得ました。おかげでEcoHelmet独自のハニカム構造について、実現可能で開発する価値があると判断するだけの十分なデータを得ることができました。」

 

更にジェームズ ダイソンは次のようにコメントしています。「EcoHelmetは明白な問題を解決できる驚くほど洗練された方法ですが、そのシンプルさの裏には多大な研究開発があります。EcoHelmetが世界中のレンタル自転車で利用されることを期待しています。」

*1参照元:警視庁交通総務課統計http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/jokyo_tokei/tokei_jokyo/bicycle.files/001_27.pdf

*2参考金額:20161117日のレートを使用 (1ドル=108.9円)

 

 

 

ジェームズ ダイソン アワード 2016 国際準優秀賞

Respia キャサリン・カウェッキ(豪州)

ニューサウスウェールズ大学 工業デザイン学科

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問題

ぜんそく患者には、しばしば息切れやパニックなど意識の混濁を引き起こす症状が起こり、このことは適切な薬や投与のタイミングの見極めを難しくしています。毎年、ぜんそくが原因で25万人もの人々が天寿を全うすることなく亡くなっていますが、多くの場合、適切な診断と手当てを行っていれば死は防げたはずでした。

解決策

Respiaは、ユーザーの健康状態と呼吸器の投薬状況をモニター・記録して、ぜんそくの症状を管理するためのシステム。従来の製品とは一線を画した完全な設計の吸入器と、呼吸器の状態をモニターできる世界初のウェアラブル(身につけられる)パッチを一体化したデザインです。

 

 

Smart Contact Lens Platform ホアーイー・ガオ(カナダ)

ウォータールー大学 ナノテクノロジー工学科

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問題

糖尿病患者の血糖値を測定するには、採血や穿刺などで身体を傷つけなければなりません。これらは手荒な方法で、不便でもあり、痛みも伴います。またこうしたことが、往々にして医療コンプライアンス率低下にもつながります。

解決策

Smart Contact Lens Platformは最先端のエンジニアリングとナノテクノロジーを活用したコンタクトレンズ。搭載したセンサーで、装用者の血糖値を継続的にモニターします。センサーは涙液膜で血糖濃度を感知し、測定値を装用者の携帯電話に送信します。これにより、糖尿病のより良い自己管理が可能になります。

 

 

特記事項:

ジェームズ ダイソン財団は、エンジニアリングやテクノロジー、デザイン分野における教育慈善団体で、2002年にイギリスのウィルシャー州で設立されました。日本では2006年から活動を始め、今年に一般財団法人化しました。

 

現在、ジェームズ ダイソン アワードは世界22カ国で開催されています。同アワードでは、大学相当レベルの教育機関でプロダクトデザイン、工業デザインおよびエンジニアリングを学ぶ (もしくは卒業して4年以内の)学生たちから「問題を解決するアイデア」を毎年募集しています。

 

<ジェームズ ダイソン アワード賞金>

国際最優秀賞(1作品):

学生またはチームに対して30,000ポンド(約406万円*3

受賞者が在籍または卒業した教育機関に対して、寄付金5,000ポンド(約68万円*3

 

国際準優秀賞(2作品):

受賞者にそれぞれ5,000ポンド(約68万円*3

 

EcoHelmetについて>

  • EcoHelmetをデザインしたアイシス・シファー氏(28歳)は、プラット・インスティテュート(米国ニューヨーク市)のデザイン学科を2016年に卒業しました。ペンシルバニア大学で学士号(美術)を彫刻学で取得、工業・プロダクトデザインの修士号を取得しています。また、合同会社スピットファイア・インダストリ
  • ーのCEO兼チーフデザイナーを務めています。
  • EcoHelmetのさらなる製品試験、製造、マーケティング業務は、ロサンゼルスの企業、合同会社
  • メムブレインと提携して行われています。

 

*3参考金額:20161117日のレートを使用 (1ポンド=135.2) 授与時の為替相場に応じて換算予定

JDA Facebookオフィシャルページ:https://www.facebook.com/jamesdysonaward/